建仁寺両足院では「学びの場」として「多聞会」を定期的に開催してきました。2015年からスタートした「アートと考古学」シリーズはこれまで6回の講座を行い、2016年8月には、世界考古学会議第8回京都大会(WAC8)にて「アートと考古学」の展覧会「Garden of Fragments:カケラたちの庭より」を開催し、考古学者とアーチスト、職人らによるコラボレーションという先鋭的な試みもいたしました。
シリーズ・コーディネーターは、無形文化遺産の研究者である石村智と、「多聞会アートと考古学シリーズ」のコーディネーターをつとめた復元画家の安芸早穂子です。テーマは、伝統芸能や工芸技術、無形文化財や無形文化遺産などの「形の無いもの」が伝承してきたアートとなります。
第3回は、日本を代表する伝統芸能のひとつである常磐津節の実演者であるとともに、伝統芸能の研究者でもある常磐津紫緒(前原恵美)さんをお迎えし、伝統芸能に欠かすことのできない邦楽器の製作・修理の技術伝承や原材料の入手が難しくなってきている現状についてお話していただきます。ご講演の後は、コーディネーターおよびフロアを交えたディスカッションの時間も持ちたいと思います。加えて、講師より邦楽器の実演もご披露していただく予定です。